ガイド

システム開発委託契約書では、何を決めますか

開発範囲と完成の基準をそろえ、途中の変更を処理する手続を決めることです。契約書本文だけでなく、仕様書・見積書・スケジュールを整合させることが重要です。

このガイドは、工程ごとの契約類型、仕様変更と検収の手順、著作権・既存部品・保守の切り分けを順に整理します。

公開 2026年10月9日 最終更新 2026年10月9日 Nomaris編集部

類型

工程ごとの役割と契約類型は、どう整理しますか

要件定義支援、設計・開発、テスト、保守では、求める役割が異なります。要件が固まっていない段階と、仕様どおりの完成を求める段階を分け、準委任・請負のどちらが実態に合うか検討します。

アジャイル開発でも、名称だけで類型は決まりません。発注者が提供する資料、意思決定の期限、受注者が担う管理・報告を明記し、双方の協力内容をそろえます。

変更と検収

仕様変更と検収は、どう手順にしますか

追加機能を口頭で頼み続けると、費用と納期の認識がずれます。例えば「変更要求を記録し、影響する費用・納期を確認したうえで、権限を持つ担当者が合意する」と手続を定めます。

検収では、テスト項目、合格基準、確認期間、不合格理由の通知、修正後の再確認を決めます。「納品後一定期間の無回答で合格」とする場合も、合理的な確認期間や通知の仕組みを用意し、検収後の契約不適合責任との関係を整理します。

権利と保守

著作権・既存部品・保守は、どう切り分けますか

成果物の著作権を譲渡する場合は、対象と移転時期を定め、著作権法27条・28条の権利を含めるか明示します。これらを特掲しない場合には、譲渡者に留保されたものと推定されます。著作者人格権は譲渡できないため、必要な範囲の不行使を別途検討します。

受注者の既存部品やオープンソースは、新規開発部分と区別します。ソースコード、設定情報、運用手順書の引渡し範囲も明確にし、自社や別の保守会社が運用できるかを確認します。

さらに、納品後の不具合対応、追加開発、有償保守の境界と、実装するセキュリティ要件を整理します。責任上限だけを決めても、復旧や引継ぎの手順は定まりません。

よくある質問

アジャイル開発は準委任で契約すべきですか

名称だけでは決まりません。要件が固まっていない段階は準委任が合いやすく、仕様どおりの完成を求める段階は請負が候補です。発注者の意思決定の期限や協力内容も契約に書きます

著作権を譲渡してもらえば権利は全部移りますか

著作権法27条・28条の権利は、譲渡の目的として特掲しないと譲渡者に留保されたものと推定されます。著作者人格権は譲渡できないため、不行使の合意を別途検討します

検収の期間を過ぎたら、不具合は請求できなくなりますか

検収の合格と、検収後に見つかった契約不適合の責任は別に整理します。無回答で合格とする条項を置くなら、合理的な確認期間と通知の仕組みを用意し、検収後の責任の範囲も契約に書きます

仕様書と一緒に、 契約条件を確かめられます

工程、成果物、検収条件、知財の方針を伝えると、Nomarisがシステム開発委託契約書を案件に合わせます。仕様書との矛盾も確かめ、相手方の確認後に締結へ進められます。

本稿は日本法に関する一般的な情報です。法令の適用や条項の有効性は、取引の実態・当事者・契約内容によって異なります。記載例は検討用の一例であり、実際の契約条件に合わせた調整が必要です。

AIによる分析は法務業務を補助するものであり、最終的な法的判断ではありません