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電子契約は印鑑や紙の契約書がなくても成立しますか

契約は、法律に特別な定めがある場合を除き、当事者の意思が合致すれば書面や押印がなくても成立します。電子契約も同じ考え方ですが、契約の種類によっては書面や公正証書などの方式が求められるため、締結前の確認が必要です。

この記事では、契約成立の基本ルール、電子署名法の考え方、電子署名の方式の違いを説明します。最後に、電子契約を締結するときの確認事項を整理します。

公開 2026年10月24日 最終更新 2026年10月24日 Nomaris編集部

確認

電子契約を結ぶ前に確かめる5つのこと

契約方式の制限
対象の契約について、書面、公正証書、事前説明などの法定要件がないか確認します。電子的な方法を使える範囲も調べます。
相手方の同意
電子的な方法で契約を結ぶことを相手方に伝えます。法令上の承諾が必要な場合は、その取得方法と記録を確認します。
署名者の権限
署名する人が契約を締結する権限を持っているか確認します。社内の決裁手順や、相手方の担当者の権限も確認対象です。
署名と操作の記録
誰が、いつ、どの文書に署名したかを確認できるか調べます。本人確認の方法、署名情報、操作履歴の取得方法も確認します。
締結後の保存
契約書の最終版、署名情報、操作履歴、承認記録を保存する方法を決めます。法令上の保存義務や社内規程も確認します。

基本原則

契約は押印がなくても成立しますか

契約は原則として、押印や紙の契約書がなくても成立します。民法522条は、法令に特別の定めがある場合を除き、契約の成立に書面の作成などの方式を要しないと定めています。これを契約の方式の自由といいます。

例えば、当事者が契約内容について申込みと承諾を行い、意思が合致すれば、口頭や電子的な方法でも契約が成立することがあります。ただし、契約が成立したことと、後からその内容や合意を証明できることは別の問題です。

会社間の取引では、契約条件や合意の記録を残すため、契約書を作成することが一般的です。電子契約でも、誰が、いつ、どの内容に合意したかを確認できるようにしておくことが重要です。

例外

紙や特定の方式が必要な契約はありますか

法律によって、書面や特定の方式が求められる契約があります。例えば、民法446条は保証契約に書面を求めていますが、契約内容を電磁的記録にした場合も書面によるものとみなす規定を置いています。

一方、事業用定期借地権の設定契約など、公正証書による方式が求められるものもあります。また、定期建物賃貸借では、契約書とは別に、更新がないことについて事前の説明などが必要です。一定の条件のもとで電子的な方法も認められています。

電子契約を使う前には、契約の種類ごとに方式の制限があるか確認します。書面を電子化できる制度でも、相手方の承諾や説明など、別の手続が必要になることがあります。

電子署名法

電子署名法の第2条と第3条は何を定めていますか

電子署名法第2条は電子署名の定義を、第3条は一定の電子署名が行われた電子文書について成立の真正を推定する仕組みを定めています。電子署名は、作成者を示すことと、記録が改変されていないか確認できることを要件とする措置です。

第3条の「成立の真正」とは、電子文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたことを意味します。契約の内容が適切か、契約上の義務が履行されるかといった問題とは区別されます。

第3条の推定が働くかどうかは、署名の仕組み、本人確認の方法、利用状況などの具体的な事情を踏まえて判断されます。最終的な判断は裁判所が行うものであり、電子署名サービスの利用だけで一律に決まるものではありません。

署名方式

立会人型と当事者型は何が違いますか

立会人型(事業者型)と当事者型の主な違いは、電子署名に使う署名鍵の主体です。立会人型はサービス提供事業者の署名鍵を使う方式、当事者型は契約当事者自身の署名鍵を使う方式として区別されます。

立会人型では、利用者の指示に基づいて事業者側の仕組みが署名処理を行います。当事者型では、利用者自身に対応する署名鍵を使います。本人確認の方法や操作手順、記録される情報は、方式だけでなくサービスの設計によっても異なります。

法務省などが公表したQ&Aでは、事業者の署名鍵を使う場合についても、利用者の意思に基づく処理などを踏まえて電子署名法上の評価を行う考え方が示されています。方式の名前だけで法的な評価を決めることはできません。

締結前確認

電子契約を締結する前に何を確認しますか

電子契約を締結する前には、相手方が電子的な方法に同意しているか、署名する人に契約締結の権限があるか、締結後の記録を保存できるかを確認します。電子署名の方式だけでなく、社内の承認手順も重要です。

相手方の同意については、電子契約を使うことを事前に伝え、必要な場合は承諾を記録します。署名者の権限については、代表者や適切な権限を持つ担当者かを確認します。

締結後は、契約書の最終版、署名に関する情報、操作履歴、関連する承認記録を管理します。保存期間や保存方法は、適用される法令、社内規程、契約の内容に応じて検討します。

よくある質問

電子契約には会社の実印が必要ですか

一般的な契約では、会社の実印がなくても当事者の意思が合致すれば成立するとされています。ただし、契約の種類によっては特定の方式が求められます。また、押印が不要であることと、契約の成立を後から証明できることは別の問題です。

電子署名があれば契約内容の正しさも証明されますか

電子署名は、電子文書の作成者や改変の有無などを確認するための仕組みです。契約内容が適切であることや、記載した条件が実際に履行されることを証明するものではありません。電子署名法第3条は、一定の要件のもとで電子文書の成立の真正を推定する規定です。

立会人型の電子署名でも契約を結べますか

立会人型は、利用者の指示に基づいてサービス提供事業者の署名鍵を使う方式です。電子契約に利用されていますが、契約の成立や証拠としての評価は、当事者の合意、署名の仕組み、本人確認、記録などの事情によって異なります。電子署名法第3条の推定が働くかは、最終的に裁判所が判断します。

テンプレートから署名まで進められます

Nomaris(ノマリス)は、株式会社Laplas(ラプラス)が運営する、AIエージェントによる企業向け外部法務部サービスです。契約書・法務書類のテンプレートを公開しており、ログインせずに全文を読むことができます。必要な項目を入力し、作成した文書を相手方に共有して、電子署名による締結まで進められます。電子署名には、Nomarisの中で相手方に文書を送り、署名を集める立会人型(事業者型)の方式を採用しています。

本稿は日本法に関する一般的な情報です。法令の適用や条項の有効性は、取引の実態・当事者・契約内容によって異なります。記載例は検討用の一例であり、実際の契約条件に合わせた調整が必要です。

AIによる分析は法務業務を補助するものであり、最終的な法的判断ではありません