ガイド
ChatGPTで契約書レビューはできますか
ChatGPTは、契約条項の要約や一般的な論点の整理に役立ちます。社内の審査基準や過去契約を参照させることも、機能・設定・外部連携によっては可能です。ただし、必要な資料を適切に選び、自社のルールに沿って論点の重要度を判断し、最終的な採否を決めるには、運用設計と人による確認が必要です。
このガイドは、ChatGPTで下書きを作っている会社が、どこまで任せてよく、どこから人と体制が要るかを整理するためのものです。
公開 2026年9月6日 最終更新 2026年10月23日 Nomaris編集部
見落とし
ChatGPTのレビューで見落としやすい5つ
- 自社基準との照合
- 社内のプレイブックや例外承認ルールが連携・提示されていなければ、自社固有の判断基準は反映されません。企業向け機能やファイル連携等を使えば参照できる場合もありますが、どの基準を適用するかは設計・確認が必要です。
- 過去契約との整合
- 同じ取引先との過去契約や、別部署が承認した例外条件は、ChatGPTに連携されていなければ参照できません。連携している場合でも、今回の案件に関係する情報を適切に検索し、最新版や適用範囲を確かめる必要があります。
- 責任の所在
- 指摘が間違っていても、ChatGPTは責任を負いません。相手方へ返す修正案と、締結の判断は、結局その場の担当者の責任になります。
- 情報の取り扱い
- 契約書には相手方の機密情報が含まれます。設定と契約によって、入力した内容の学習利用・保存期間・閲覧できる人が変わります。相手方との秘密保持義務に反する運用になりがちです。
- 指示で変わる結果
- 同じ契約書でも、指示の書き方で指摘の内容と数が変わります。網羅されているように見えて、聞かなかった論点は出てきません。
機密情報
機密情報を入力してよいですか
業務利用の契約や設定によって、入力した内容が学習に使われるか、どれくらい保存されるか、誰が見られるかが変わります。個人向けの設定のまま契約書を貼り付けると、社内規程や取引先との秘密保持義務に反する場合があります。
使うなら、学習に使われない契約・設定にし、誰が何を入力してよいかを決めます。それでも、相手方の機密を含む契約書の全文を入力する運用は、取引先との合意を確かめてから行うべきです。
比較
ChatGPT、契約審査ツール、外部法務部
同じ「AIで読む」でも、何を基準にし、誰が判断し、何が返ってくるかが違います。
指摘の基準
- ChatGPT
- 入力・連携した資料と指示に依存
- 契約審査AIツール
- 製品の基準に自社の設定を足す
- 外部法務部(Nomaris)
- 貴社の基準(プレイブック)と過去の契約
判断するのは誰か
- ChatGPT
- 入力した本人
- 契約審査AIツール
- 自社の担当者
- 外部法務部(Nomaris)
- AIが修正案まで整理し、採否は貴社が決める
返ってくる形
- ChatGPT
- 文章の回答
- 契約審査AIツール
- 指摘の一覧と修正候補
- 外部法務部(Nomaris)
- 変更履歴を入れたWordと相手方への返信文案
情報の扱い
- ChatGPT
- 契約・設定に依存する
- 契約審査AIツール
- 製品の規約に依存する
- 外部法務部(Nomaris)
- 学習に使わず、企業ごとに分離して保管する
ChatGPTにも、社内情報を参照できる企業向けの機能があります。違いは「参照できるか」だけではなく、どの資料を案件に結び付け、誰が内容を確認・承認し、どの形式で業務を進めるかにあります。
ChatGPTとの違い使い続けるなら
ChatGPTを使い続けるなら守ること
- 01
学習に使われない設定に
業務利用の契約か、学習に使われない設定を選びます。個人向けの既定のまま使わないことを社内で決めます。
- 02
入力してよい情報を決める
相手方の機密や個人情報を含む契約書を入力してよいか、誰が判断するかを決めます。迷うなら固有名詞を伏せます。
- 03
指摘を基準と照らす
出てきた指摘を、自社の基準(無ければ過去の契約)と照らして重みを付けます。一般論のまま相手方へ返さないことです。
- 04
重い案件は弁護士へ
金額が大きい、紛争の可能性がある、専門分野に踏み込む案件は、下書きで終わらせず弁護士の確認を通します。
よくある質問
ChatGPTの回答をそのまま相手に送ってもよいですか
お勧めしません。貴社の基準や取引の背景が反映されていない指摘は、相手方との関係や過去の条件と食い違うことがあります。基準と照らし、責任を持つ人が読んでから送ります
どの案件ならChatGPTで足りますか
条項の意味を確かめる、社内向けの要約を作る、質問の下書きを作るといった、相手方へ出さない・判断を伴わない作業に向いています。相手方へ返す修正案や締結の判断には、基準と確認の体制が要ります
NomarisはChatGPTと併用できますか
できます。社内の下書きや調べものにChatGPTを使い、相手方へ返す契約書レビューや、論点・判断材料の整理が要る相談をNomarisに送る使い方です。Nomarisは貴社の基準と過去契約を蓄積して参照します
下書きはAIに、 判断は人に
いまChatGPTで回している契約書を1本、そのまま送っていただければ、何が変わるかをデモでお見せします。
先に資料で全体像を確かめることもできます。
本稿は日本法に関する一般的な情報です。法令の適用や条項の有効性は、取引の実態・当事者・契約内容によって異なります。記載例は検討用の一例であり、実際の契約条件に合わせた調整が必要です。
AIによる分析は法務業務を補助するものであり、最終的な法的判断ではありません